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最高裁判所第三小法廷 昭和42(し)55 決定

主 文

本件抗告を棄却する。

理 由

申立人本人および弁護人野口恵三の抗告趣意第一について。

所論のうち、所論証拠書類が刑訴法四三五条六号にいう証拠に当らないとした判

断の違憲(三七条違反)をいう点は、実質は単なる法令違反の主張を出ないもので

あり(なお原決定が、所論証拠書類を刑訴法四三五条六号にいう証拠に当らないと

したのは相当である。)、刑訴法四三五条六号の違憲(三七条違反)をいう点は、

原審において主張判断のなかつた事項であり、いずれも刑訴法四三三条の抗告の適

法な理由に当らない。

同第二について。

本件再審請求の事由は、申立人が有罪の言渡を受けた喜多方簡易裁判所昭和二九

年(ろ)第三七号農地法違反被告事件の確定判決に対し、無罪を言い渡すべき明ら

かな証拠、すなわち申立人のAに対する農地の賃貸借が一時賃貸借であつたこと、

および同人が昭和二九年四月上旬以前に農地を申立人に返還していたことを証明す

る証拠をあらたに発見したというものであるところ、原決定は、申立人提出の証拠

書類は、右各事実を証明するに足りるものとは認められないとしているのであり、

右判断は正当であるから、本件再審請求は、すでにこの点において理由がないこと

が明らかであるといわなければならない。そうすると、昭和二四年六月一九日以前

に契約された農地の一時賃貸借についても、同年法律第二一五号による改正後の農

地調整法九条二、三項が適用されるものである旨判示し、ひいて農地法二〇条の適

用を容認した原判断の当否は、なんら右結論に影響を及ぼすものではないから、所

論違憲(二九条、三一条、三九条違反)の主張は、刑訴法四三三条の抗告の適法な

理由にならない。

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弁護人野口恵三は、昭和四二年一〇月三〇日に上申書と題する書面を提出したが、

刑訴法四三三条の抗告の提起期間経過後のものであるから、判断を加えない。

よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四二年一二月一九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

裁判官 飯 村 義 美

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